Mélancolie
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2026年8月1日 20:00 から販売
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SAKEME: WISP
ESPRIT: TOME II — SANS NOM
Mélancolie《メランコリー》
踏ん張っているつもりでも、
足元はいつの間にか
波に攫われている。
自意識さえ疑い始め、
やがて重力を手放す。
手応えを探すほど
世界は離れてゆく。
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1940年に作曲された《メランコリー》FP 105は、プーランク唯一の本格的なピアノ幻想曲です。フランスがナチス・ドイツの侵攻を受け、社会が大きく揺らぐなか、プーランク自身も動員や疎開を経験し、親しい友人たちとも離れ離れになっていました。本作は、献呈先である親友レイモン・デトゥーシュへの想いも重ねられた、彼のピアノ作品の中でもとりわけ私的で内省的な一曲とされています。
六人組の一員として、洒脱さや明晰さ、軽妙なユーモアで知られるプーランクですが、その音楽には常に、信仰、孤独、喪失への深い感受性が息づいていました。《メランコリー》では、その二つの側面が静かに交錯します。
「Très modéré(ごく穏やかに)」と記された冒頭から、旋律は歌うように静かに現れ、半音階的な和声の移ろいの中で絶えず表情を変えていきます。明確な頂点へ向かうことなく、絶え間ない転調と繊細な響きによって、感情は悲嘆ではなく、甘さと諦念が入り混じる複雑な陰影として描かれます。
題名に掲げられた「メランコリー」は、単なる悲しみではありません。理由を説明できない心の揺らぎ、満たされていてもなお消えない寂寥、言葉を与えた途端に失われてしまう感情。その輪郭を、プーランクは簡潔で透明な書法によって静かに描き出しました。機知や華やかさをあえて抑え、語り切れない感情だけを見つめ続けたこの作品は、彼のピアノ作品の到達点の一つであり、《SANS NOM》を締めくくるにふさわしい一曲です。
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size: SM (227 × 158mm)
